ブランデーベースのカクテルはあまりなじみがないかもしれませんが、サイドカーはバーでは特に人気なショートカクテルです。
ホワイトレディのベースのジンをブランデーに代えたもので、お酒と甘み、酸味のバランスが重要で、芳醇な味わいです。今回は、そのサイドカーをつくっていきます。
サイドカーの由来
サイドカーの由来は諸説あり、代表的なものを紹介します。
1.パリのハリーズバーのバーテンダー、ハリー・マッケンホーンがつくった。
彼は最初ホワイトレディを考案し、その後ベースをブランデーに代えてつくったのが「サイドカー」。
常連客の将校がいつもサイドカーに乗って来店してきたことから名づけられたという説。
2.第一次世界大戦中、あるフランスの将校がサイドカーに乗りながら、ブランデーとキュラソーをレモンをかじりながら飲んでいた。それは追ってから逃げる恐怖を紛らわせるためだったという説。
3.第一次世界大戦中に生まれたこのカクテルは、サイドカーは事故を起こした際、運転手よりもサイドに乗る女性の方が危険だということに由来。
サイドカー=女性キラーというのと、このカクテルの飲みやすさで女性が酔いつぶれることをかけてつけられたという説。
どれが本当か定かではないですが、個人的には「1」が有力ではないかと思います。
サイドカーのレシピ
材料
- ブランデー30ml
- コアントロー15ml
- レモンジュース15ml
(コアントローの代わりにトリプルセックやオレンジキュラソーを使ってもいいです。)
サイドカーのつくり方
1.材料を注ぐ。
シェイカーにブランデー30ml注ぐ。
コアントロー15ml注ぐ。
レモンジュース15ml注ぐ。
2.シェイクする。
氷を入れてシェイクし、カクテルグラスに注ぐ。
3.完成。
サイドカーを飲んだ感想
ブランデーの濃厚な味わいとコアントローのオレンジの香り、甘みをレモンの酸味が引き締めて、芳醇なカクテルに仕上がりました。
ブランデーの銘柄によって味わいが変わるのはもちろん、つくり手により仕上がりが全く違ってくるので、奥が深いカクテルです。
レシピがシンプルな分ごまかしがきかず、つくるのが難しいとも言われています。
バーに行ったら是非頼んで欲しい一杯です。
アルコール度数:約30度
サイドカーをつくるときのポイント:
【ブランデーの銘柄によって分量・シェイクの回数を変える。】
ブランデーはそれぞれ個性があり、力強い味わいのもの、繊細なもの、芳醇な香りが強いものなど様々です。
違う銘柄のブランデーを使って同じ分量、シェイクの数でつくっても、味わいは全く異なります。
以前、ヘネシーVSでサイドカーをつくったときは美味しく作れたのに、カミュVSでサイドカーをつくったら水っぽくなった経験があります。
分量やシェイクの回数、仕方を変えると水っぽくなく美味しくつくれました。
自分好みのサイドカーを探す
サイドカーは色々なバーテンダーがそれぞれ研究して自分の味を極めようとするカクテルでもあります。
自分好みのサイドカーをつくるためのアレンジ方法のいくつかをお伝えします。
- コアントローをグランマルニエに変える
- コアントローとグランマルニエの2種類のキュラソーを使用する
- ブランデーの銘柄によって3種類の材料の分量を変える
- シェイクの振り方を変える:ブラウンスピリッツといわれる、いわゆるウィスキーやブランデーは、空気を含ませてシェイクすくことで香りも豊かになるという考え方があります。サイドカーの時は空気を多く含ませるようにシェイクを意識するようにしてみます。
- オレンジの皮を加えてシェイクする
他にもグラスの形状を変えたり、シェイクした後の氷片を取り除いたりして、自分好みのサイドカーを見つけると楽しいと思います。
兄弟カクテル
ベースを変えたら別のカクテルになり、それ以外の材料は同じため、兄弟カクテル(姉妹カクテル)と呼ばれたりもします。
ブランデーをジンに変える→ホワイトレディ
ブランデーをウォッカに変える→バラライカ
ブランデーをラムに変える→XYZ
ブランデーをウィスキーに変える→サイレントサード
使用した銘柄
ブランデー:バロン オタール