イタリアのリキュールと言えばカンパリがあるが、カンパリと同じくらい代表的なリキュールが、アマレットです。
杏仁豆腐のような味のお酒ということで、特に女性の方が好んで頼みます。
目次
アマレットとは
杏仁豆腐やアーモンドのような、幻想的な甘い香りをもつイタリア特産のリキュールです。
アーモンドが主原料というわけではなく、杏子の核が芳香成分となっています。
アマレットの造り方
シチリア島産のアンズの核を、アドリア海沿岸のぺスカラ町で蒸留し、ビターアーモンドフレーバーの原液をサローノ町に輸送。
そして、ブドウから高濃度に蒸留したスピリッツに配合し、バニラビーンズなど17種類のハーブやフルーツから抽出した液をブレンドし、シロップを加えて熟成してから製品となります。
アマレットの味わい
アーモンドやバニラのような豊かな香りと上品な甘さがあります。
フルーティーで、杏仁豆腐のような味という認識が広く浸透しています。
度数は28℃とかなり高めですが、飲みやすいためロックでも全然いけます。
起源ーアマレットは恋のお酒!?
1525年、イタリアのミラノの北にあるサローノ町のサンタ・マリア・デッレ・グラティエ聖堂で、ある画家が絵を描いていました。
彼は、町の宿屋に泊まって聖堂に通っていましたが、その宿屋は若くて美しい女主人が経営していました。
画家はその美しさに惹かれ、彼女をモデルにした聖母マリアの顔や、肖像画を描いてプレゼントしました。
女主人は、そのお返しとして甘い香りのリキュールをつくり、画家に贈ります。
画家は彼女のその優しさに心を打たれ、やがてこのお酒は2人の恋の印として知られるようになりました。
そのときのリキュールを19世紀になって復元したのが、アマレットの始まりだと言われています。
名前の由来ーミラノのお菓子
1807年に、サローノ町で食料品店を営む、カルロ・ドミニコ・レイナが復元しました。
当時、アマレッティというケーキがあり、復元したリキュールがそのケーキの香りに似ていたため、
アマレット・ディ・サローノ(サローノ町のアマレット)と名付けられたそうです。
これが好評で、他社がアマレットと名乗る類似品を発売するようになり、混同されるのを避けるため、1992年からディサローノ・アマレットと名称を変えています。
アマレットの飲み方
アマレットはロックなどそのまま飲んでも美味しいですが、色々な割り方・カクテルがあります。
より深く楽しみましょう。
アマレットと相性のいい割材
- ジンジャエール
- オレンジ
- コーラ
- ウーロン
- ミルク
- ソーダ
- 白ワイン
- シャンパン
アマレットカクテル
割材で割るだけの簡単な飲み方以外にも、本格的なカクテルとしてもアマレットは重宝します。
アマレットカクテル①ゴッドファーザー
材料
- ウィスキー45ml
- アマレット15ml
作り方
氷を入れたロックグラスに材料を注ぎ、ステア。
1972年公開の映画『ゴッドファーザー』が公開された後に生まれました。
アマレットの甘さと、濃厚なウィスキーが合わさり、味わい深いカクテルです。
度数はかなり高いですが、甘いカクテル好きにはたまりません。
アマレットカクテル②ゴッドマザー
材料
- ウォッカ45ml
- アマレット15ml
作り方
氷を入れたロックグラスに材料を注いでステア。
ゴッドファーザーのベースをウォッカに代えたカクテルです。
ウォッカはあまりクセがないため、味わいはアマレットの度数を強くし、甘みを少し抑えたという感じです。
「アマレットだけでは甘すぎる、度数が低くて物足りない」という方におススメです。
アマレットカクテル③フレンチコネクション
材料
- ブランデー45ml
- アマレット15ml
作り方
氷を入れたロックグラスに材料を注いでステア。
1971年公開の映画『フレンチコネクション』に由来します。
上記2つのカクテルのベースを、ブランデーに代えたものです。
ブランデーは甘味があり、アマレットも甘いので、デザートのような濃厚な甘さのカクテルです。
甘くて飲みやすいので、飲みすぎに注意を。
ナイトキャップにおススメです。
アマレットカクテル④ボッチボール
材料
- アマレット30ml
- オレンジジュース30ml
- 炭酸 適量
作り方
- 氷が入ったロングタンブラーに、アマレットとオレンジジュースを入れてステア。
- 炭酸を注いでビルド。
ボッチとは、イタリア発祥の芝生の上でするボーリングのような球技のことで、それが名前の由来です。
アマレットのロングカクテルとして比較的よく知られています。
飲みやすく、杏仁風味の甘くてさっぱりした味わいです。
炭酸系の甘めカクテルで、女性におススメです。
アマレットカクテル⑤ローザロッサ
材料
- 赤ワイン60ml
- アマレット30ml
- ジンジャエール 適量
作り方
- 氷を入れたロングタンブラーもしくはワイングラスに、赤ワインとアマレットを注ぎステア。
- ジンジャエールを注いでビルド。
イタリア語で赤いバラという意味。
甘めのロングカクテルで、キティにアマレットが入ったカクテル。
杏仁の風味が加わり、キティよりも奥行きのあるフルーティーな味わいで、女性におススメです。
ジンジャエールだと甘すぎるという方は、炭酸に代えるとさっぱりとした味わいに変化します。
アマレットカクテル⑥ディサリータ
材料
- テキーラ40ml
- アマレット20ml
- ライムジュース20ml
作り方
材料をシェイクして、カクテルグラスに注ぎます。
テキーラの独特な風味とアマレットの甘味、ライムの酸味が合わさったカクテルです。
マルガリータのアマレット風味というイメージです。
ワンランク上の大人なアマレットカクテルです。
最後に
「アマレットとは?どんな飲み方があるのか」
など紹介していきました。
いかがでしたでしょうか?
杏子の核から造られているリキュールとあって、柑橘系の素材との相性はばっちりです。
ウィスキーやブランデーなど、ストレートやロックで飲むような重厚なお酒を、より飲みやすく、味わい深くしてくれます。
アマレットは、誰でも簡単に美味しいカクテルをつくるにはもってこいのリキュールとなります。
家で本格的なカクテルをつくるお供にピッタリです。