あまりメジャーではないので知らない方が多いかもしれませんが、非常に美味しいお酒です。
薬草系・ハーブ系のリキュールで、古くから製造されています。
飲んだことがない方は、是非一度は試してほしいリキュールです。
このお酒がどんな歴史をもち、どんな味わいなのか?詳しく解説していきます。
目次
ベネディクティンとは
薬草系のリキュールの代表としてあげられるものに、シャルトリューズというお酒があります。
そのシャルトリューズと名声を二分してきたのが、このベネディクティンです。
シャルトリューズがスパイシーだとすると、ベネディクティンはどっしりと丸みのある味わいが特徴です。
ベネディクティンこだわりの製法
27種類のハーブ・スパイスが主な原料です。
- ヒソップ
- アンゼリカ
- コリアンダー
- クローブ
- ナツメグ
- アロエ
- シナモン
- タイム
- カルダモン
- 生姜
- ジュニパーベリー
- バーム(西洋山ハッカ)
- メリッサ
- バニラ
- レモン果皮
- 松の実
- セイロン産紅茶など
これらの原料を5つのグループに分け、
3グループ→ グレープスピリッツに浸漬のあとにろ過。
2グループ→ スピリッツとともに蒸留。
これらを18か月オーク樽で熟成させたのちにブレンドし、はちみつ・カラメル・サフラン・シロップを加えて製品となります。
ベネディクティンの味わい
何種類ものハーブの織り成すフレーバーと、はちみつのような蜜系の甘い味わいが感じられます。
長寿の秘薬として親しまれたそうですが、今では製菓用としても使われています。
ベネディクティンの起源
1510年、フランス北部ノルマンディ地方の海沿いの町フェーカンにある「ベネディクト会修道院」で、
ベルナルド・ヴィンチェリ/Bernard Vincelliによって開発されました。
1534年には、当時のフランス国王フランソワ1世が修道院に立ち寄った際にこの酒を称賛されたそうです。
ベネディクティン製造禁止→再開
1791年、フランス革命により修道院の財産が国に没収され、リキュール製造も取りやめとなりました。
しかし、1863年、フェーカンの酒商人アレクサンドル・ル・グラン/Alexandre Le Grandが製法記録を発見し、復元に成功して発売されます。
発売後はすぐに人気となり、10年で年間約15万ボトルを売り上げました。
現在このリキュールは、1876年、修道院跡地に建てられた建物内で造られています。
ベネディクティンのDOMとB&Bについて
ベネディクティンはDOMと、B&Bと書かれた2種類のボトルが発売されています。
一般に流通しているのがDOM/Deo Optimo Maximo(ラテン語)で、意味は『至善至高の神に捧ぐ』です。
もう一つのB&Bは、ベネディクティンとブランデーでつくるカクテルからきています。
1920年代にアメリカでカクテルブームが起きたとき、このB&Bというカクテルが流行ります。
それを受け、ベネディクティン社が1937年にB&Bを製品化します。
現在は終売しているので、興味がある方は飲み比べてみては?
ベネディクティンの飲み方
ベネディクティン単体ではけっこう甘口です。
ロックで飲んだり、割材で割ったり、カクテルにして飲むのがおススメです。
ベネディクティンにおススメの割材
- 炭酸
- トニック
- コーラ
- オレンジジュース
衝撃だったのは、ベネディクティンの炭酸割です。
炭酸で割ると、コーラのような味わいに変化しました。
ベネディクティンのカクテルレシピ
個人的に、ベネディクティンは寝る前のナイトキャップ用として重宝しています。
ベネディクティンのカクテルはあまり多くないですが、強めのお酒と合わせることで、味わいに深い奥行きがでます。
カクテルのベースというよりも、隠し味のようなイメージです。
ベネディクティンカクテル①B&B
材料
- ブランデー30ml
- ベネディクティン30ml
作り方
リキュールグラスにベネディクティンを半分注ぎ、その上にブランデーをフロートさせる。
or
氷を入れたロックグラスに材料を注いでステア。
一番有名なベネディクティンのカクテルです。
夜、寝る前の寝酒として親しまれています。
ベネディクティンカクテル②ヴューカレ
材料
- ライウィスキー30ml
- ブランデー30ml
- スイートベルモット30ml
- ベネディクティン1tsp
- アンゴスチュラビターズ1dash
- ペイショーズビターズ1dash
作り方
- ミキシンググラスに氷を入れ、全ての材料を注ぎステア。
- 氷を入れたロックグラスに材料を注ぐ。
- 好みでオレンジの皮を添える。
日本ではあまり知られていませんが、ニューオーリンズの有名なフレンチクオーター地区の別名にちなんで名付けられました。
1930年代末に、由緒あるホテル・モンテオーレのヘッドバーテンダー「ウォルター・バージェロン」が考案した、アメリカではクラシックなスタンダードカクテルです。
強くて個性的な4種類の酒が重厚な奥行きをもたらし、満足感のある味わいです。
ちなみに、ペイショーズビターズは日本では取り扱いが禁止されているため入手困難となっています。
ペイショーズビターズなしでも十分美味しいです。
ベネディクティンカクテル③モンテカルロ
材料
- ウィスキー45ml
- ベネディクティン15ml
- アンゴスチュラビターズ1dash
作り方
全ての材料をシェイクしてカクテルグラスに注ぐ。
F1で有名なモナコの都市の名前からきています。
アルコール度数は高めですが、シェイクすることでまろやかになり、飲みやすくなります。
ベネディクティンカクテル④フロープ
材料
- ブランデー30ml
- スイートベルモット30ml
- ベネディクティン1tsp
作り方
全ての材料をステアしてカクテルグラスに注ぐ。
サボイホテルのレシピで、度数強めの甘口カクテルです。
ベネディクティンの香味がアクセントとなっています。
ベネディクティンカクテル⑤ベネディクト
材料
- スコッチウィスキー30ml
- ベネディクティン30ml
- ジンジャエール適量
作り方
ロックグラスorロングタンブラーにスコッチとベネディクティンを注ぎステア。
ジンジャエールを注いでビルド。
甘口のロングカクテルです。
甘すぎるのが苦手なら、辛口のジンジャエールを使用したり、炭酸で割ってもいいと思います。
ベネディクティンカクテル⑥ハネムーン
材料
【レシピ1】
- カルバドス30ml
- ベネディクティン10ml
- レモンジュース15ml
- オレンジキュラソー5ml
or
【レシピ2】
- カルバドス20ml
- ベネディクティン20ml
- レモンジュース20ml
- オレンジキュラソー3dash
作り方
全ての材料をシェイクしてカクテルグラスに注ぐ。
ハチミツレモンのような甘酸っぱい味わい。
「幸せはいつもあなたと」というカクテル言葉があるようです。
レシピは2種類あり、元のレシピは【レシピ2】だったみたいですが、
味の嗜好が変化し、今では【レシピ1】がよく採用されています。
好みの分量でいいと思います。
最後に
「ベネディクティンとはどんなお酒か?どんな飲み方があるのか?」
について紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
あまり知られていないお酒ですが、個人的に大好きなリキュールです。
オーセンティックバーでも置いていないお店があったりするので、もし見かけたら飲んでみて欲しい一品です。
寝酒のお供に是非。