4大スピリッツのひとつとして大人気のジン。
カクテルのベースとしても、そのままでも楽しめるお酒として、世界中で親しまれています。
普段あまり飲まない人にとっては、ジンってそもそもどんなお酒かも知らないと思います。
そんな方のために、今回はジンはどんなお酒なのか?
「ジンの歴史・種類・おすすめの飲み方・銘柄」を簡単に紹介していきたいと思います!!
ジンとは?
ジンの最大の特徴は、なんといってもジュニパーベリーを使用していること。
これが入っていなければ、法律上でもジンとは呼べないくらい、欠かせないものです。
ジュニパーとは、またの名をセイヨウネズの木ともいう、寒い地域に育つ背の低い針葉樹のことで上の写真の木です。
その木からなった実がジュニパーベリー(ネズの実)といいます。
ジンの語源
ジンの語源は、ジンに必ず使用されるボタニカル「ジュニパーベリー」からきています。
ジュニパーはオランダ語でイエネーフェル(Jenever)といい、ジンの原型となる飲み物もそう呼ばれていました。
やがてオランダからイギリスにわたり、ジュネヴァ(Geneva)と呼ばれ、それが短縮されてジン(Gin)となります。
イエネーフェル(Jenever) → ジュネヴァ(Geneva) → ジン(Gin)
ジンの定義
ジンは、蒸留されたスピリッツにボタニカル(植物成分)を抽出した蒸留酒のことで、
EUでは、『ジュニパーベリーの香りを主とする37.5%以上のアルコール』と定義しています。
USAでは40%以上となっており、ジュニパーベリーが入っていること以外は、国や地域によって異なります。
ジンの歴史
現在ジンは世界中で大人気となり、世界各国で生産されていますが、そうなったのは最近の話です。
よくジンは、「オランダで生まれ、イギリスで洗練され、アメリカで栄光を得た」と言われます。
ではどのような歴史を経ていったのでしょうか?
※諸説あるので、その一説をご紹介します。
オランダで誕生
ジンが生まれたのはオランダで、もともともは熱病に効く薬としてつくられた利尿剤でした。
1660年、オランダのある大学の医学部教授だったシルヴィウス氏が、利尿剤をつくるためにジュニパーベリーを浸したアルコールを蒸留しました。
これを薬局で売り出したところ、そのさわやかで独特な風味と手ごろな価格からお酒として人気となっていきます。
イギリスで洗練された
オランダで生まれたジンは、その後イギリス国内に広がります。
17世紀のオランダ国王・ウィリアムⅢ世が、1689年にイギリスの国王にも就任します。
国王はジンが大好きで、イギリスでは外国から蒸留酒を輸入しないようにして、ジンを普及させようとしました。
イギリス国民はこれを歓迎し、一気にイギリス全土に広がっていきます。
このとき、蒸留機がどんどん発達していき、純度が高くてクリアなお酒としてジンが洗練されていきました。
アメリカで栄光を得る
オランダ、イギリスとジンは国民に愛されていましたが、それはジン単体として楽しまれていました。
ジンが海を越えてアメリカにわたり、カクテルのベースとして大注目されることになり、全世界へと広がっていったのです。
ジンの種類
ジンは世界各国で生産されていますが、中心的な生産エリアはヨーロッパです。
その中でも、オランダ・イギリス・ドイツの3か国で多く生産されています。
色々なジンがありますが、産地や製法によって、大きく4種類にわけられます。
(※厳密に言うと、もっとたくさんの種類があるので詳しくは別の記事で紹介します。)
どのように違うのか、特徴をみながら解説していきます。
世界の主流!①ロンドン・ドライ・ジン
世界中で飲まれているほとんどのジンがこのロンドン・ドライ・ジンです。
この「ロンドン」という名前は、ロンドンでつくられているという意味ではなく、規格の名称です。
カクテルのベースとしてよく使用されており、ドライで軽やかな味わいが特徴です。
代表的な銘柄:
ビーフィーター・ボンベイサファイア・ゴードンなど。
おすすめの飲み方:
トニックや炭酸で割るなどカクテルにする。
甘いジン!②オールド・トム・ジン
ロンドン・ドライ・ジンに甘みが加わったジンです。
蒸留した後に1~2%の甘み(砂糖やサトウキビ)を添加します。
かつてロンドンでネコ型の自動販売機で販売されており、そのネコの名前から名づけられました。
辛口のジンが苦手でもこのジンなら甘くて飲みやすいかもしれません。
代表的な銘柄:
ヘイマンズ・ジンクス・ハイウッド
おすすめの飲み方:
甘みがあるので、ストレートやロックでも、炭酸で割ってもおいしい。
伝統的なオランダのジン!③ジュネヴァ・ジン
ジン発祥のオランダのジンで、酒自体に香味がついているので、ストレートやロックで飲まれることが多いです。
ロンドン・ドライ・ジンよりも濃厚で、昔ながらの独特なジンの風味が感じられます。
代表的な銘柄:
ボルス・ノールズ
おすすめの飲み方:
ストレートやロックで、酒本来の味を楽しみたい。
ドイツ産穏やかな酒質のジン!④シュタインヘーガー
ドイツのジンで、ドライ・ジンやジュネヴァ・ジンは乾燥のジュニパーベリーを使用していますが、シュタインヘーガーは生のジュニパーベリーを使用しているため、他のジンに比べて穏やかな味わいです。
ドイツではビールを飲む前に1、2杯のシュタインヘーガーをショットで飲むという習慣があるそう。
代表的な銘柄:
シュリヒテ
おすすめの飲み方:
ドライ・ジンとジュネヴァ・ジンの中間的な存在で、ストレートやロック、カクテルなど、飲み方を問わず楽しめる。
簡単にできる!ジンおすすめのカクテル6選
誰でも簡単に、自宅でもできるカクテルを紹介します。
①みんな大好き【ジントニック】
材料
- ジン
- トニックウォーター
- あればライムorレモン
ジンをトニックウォーターで割るジントニックは世界中で大人気ですね。本格的にしたければライムやレモンを少し搾り入れるとよりおいしくなります。
②甘いのが苦手なら【ジンリッキー】
材料
- ジン
- 炭酸
- あればライムorレモン
ジンを炭酸で割ると、ジンリッキーというカクテルに。ライムを搾り入れるのが一般的ですが、なければレモンでも可。味はドライなので、甘いのが苦手な方におすすめです。
③度数強めでゆっくり飲む【ジンライム】
材料
- ジン
- ライム
ジンにライムを搾り入れるだけのカクテルなので度数は高め。
居酒屋はライムシロップを使用するので甘くて飲みやすいですが、バーの本格的なジンライムは素材そのものの味を楽しめます。
ロックグラスでゆっくりと飲みたいですね。
④フルーティーで飲みやすい【オレンジブロッサム】
材料
- ジン
- オレンジジュース
ジンをオレンジジュースで割ったカクテルです。オレンジの酸味と甘みがジンを飲みやすくしてくれます。
フルーティーで女性にもおすすめです。
⑤甘口と辛口あなたはどっち派?【ジンバック】
材料
ジン
ジンジャエール
あればライムorレモン
ジンをジンジャエールで割るとジンバックという名前に。ジンジャエールは、甘口のものと辛口のものなど種類があるので、好みで変えることができます。
ライムやレモンをしぼるとより本格的に。
⑥意外と知らない【ジンソニック】
材料
- ジン
- トニックウォーター
- 炭酸
- あればライムorレモン
あまり知られていないですが、ジンをトニックウォーターと炭酸の両方で割ります。トニックウォーターだけだと甘すぎるという方におすすめです。
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コスパよし!カクテル用ジンおすすめ銘柄4選
現在、1000円代のリーズナブルなジンもあれば、クラフトジンと呼ばれる3000円~6000円以上するジンまで様々あります。
今回は、普段あまりお酒を買わない方や、家飲み用としてカクテルで飲む方へのジンを選び、ランキング形式で紹介します。
1位ゴードン
このジンは、世界で初めてジントニックを生んだといわれているジンです。ジンらしいジュニパーベリーの香りと、素材由来の甘みが感じられます。しっかりとお酒感もあるので、カクテルにしても飲みごたえがある銘柄です。
アルコール度数:37.5%
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2位ビーフィーター
ロンドンの近衛兵が印象的な赤いボトルのジン。クリアな味でジンの風味はゴードンよりも控えめです。かすかなシトラス香が爽やかで飲みやすいジンです。
アルコール度数:40%
価格:1100円(Amazon 20204/21時点)
3位ボンベイサファイア
青い美しいボトルで、プレミアムジンと言われています。深く華やかな香りが特徴です。度数が高くしっかりと酒感もありますが、上位2銘柄よりも割高です。
アルコール度数:47%
価格:1831円(Amazon 20204/21時点)
4位タンカレー
緑色のボトルで、シェイカーの形をしています。蒸留を4回重ねているため、より純度が高く洗練された味わいです。アルコールの荒々しさはあまりなく、スムースなので飲みやすいです。
アルコール度数:47.3%
価格:1700円(Amazon 20204/21時点)
好みのジンを探そう!
個人的に一番コスパがよくてカクテルにするとおいしいと思うのはゴードンですが、他のジンももちろんおいしいです。
今回紹介したジンは、すべて本格的なバーでもよく使用される銘柄です。
あたりまえですが、人それぞれ好みは違いますし、どんな飲み方をするかによっても味が変わります。いろいろ飲み比べて自分が一番好きだと思うジンを見つけてみて下さい。
ジンを楽しもう!
これまで、ジンについて簡単に解説してきました。
最低限おさえておきたいのは、
「ジンはジュニパーベリーを使用していること。」
「世界中で出回っているのはほとんどがロンドン・ドライ・ジン」
「ジンを普段用で買うなら、コスパのいい1000円代がおすすめ」
です。
ジンを使ったカクテルは多く、銘柄もたくさんあります。
好みのジンやカクテルをみつけるのも良し、いろんな銘柄を飲んでみるのもいいですね!
参考文献