カシスリキュールは、ほとんどの方が知っているのではないでしょうか。
カシスソーダやカシスオレンジは今や定番カクテルとして認知されていると思います。
今回はそのカシスリキュールについて、歴史・製法・保存方法・おすすめの銘柄・カクテルレシピを紹介します。
目次
カシスリキュールとは
カシスリキュールはカシスを原料としたつくられたリキュール。カシスはブルーベリーやラズベリーのようなベリー系の一種で、ビタミンやミネラル、ポリフェノールやアントシアニンなどが含まれた栄養価の高い果実です。
ポリフェノールには血流を改善する働きがあり、カシス特有のアントシアニンは眼精疲労にいいといわれています。
カシスリキュールのフランスでの一般的な名称は、リキュール・ド・カシスといい、アルコール度数は最低15度以上だと定められています。
その中でも1ℓ当たり400g以上の砂糖を含むものが「クレーム・ド・カシス」と表記できるんだとか。(カシス以外のリキュールは、1ℓ当たり砂糖250g以上でクレーム・ド~と表記できるように定められている)
この「クレーム・ド」というのは、一種のランクのようなもので、シャンパーニュ地方でつくられたものがシャンパンと呼び、その他はスパークリングワインといわれるように、基準を満たさないとこの表記はできないようです。
ちなみに、「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」という表記があれば、ブルゴーニュ地方コート・ドール区産のカシスのみを原料としてつくっている由緒正しいものとして、EUによって承認されていて品質が保証されているそうです。
カシスリキュールの歴史
ブルゴーニュ地方ディジョン市のラグート社が先駆者だといわれています。
ラグート社は、ドニー・グラート氏が1836年に創立し、その5年後ブルゴーニュ地方の丘陵に育つカシスの実に着目して開発しました。
1858年、ルイ・ルジェ氏と協力してルジェ・ラグート社になり、広めていきました。
その後他の果実系リキュールも発売して、現在ではトップメーカーとして認知されています。
このルジェ社が発売しているクレーム・ド・カシスは、よく居酒屋でも見かけるので一度は見たことがあるかもしれません。
クレーム・ド・カシスの製法
クレーム・ド・カシスの一般的な製法を紹介します。
- カシスを軽く破砕し、ジュースと搾りかすにわけます。
- ジュースは中性スピリッツとブレンドし、搾りかすは蒸留してそのブレンドした液に加えます。
- それを約半年熟成し、ろ過して砂糖を加えてさらに熟成。
- そこに水を加えてアルコール度数を調整して製品となります。
現在、たくさんのカシスの銘柄が販売されています。
アルコール分、エキス分により風味や味わいが異なりますが、製造過程でカシスの実をクラッシュするときにカシスの葉を加えたり、シナモンなどのスパイスを隠し味として加えることもあるそうです。
保存方法
カシスリキュールはカシスの果実を浸漬してつくられるため、果実味がそのまま溶け込んでいます。
そのため開栓後すぐに酸化しやすいため、開栓後はなるべく冷蔵庫で冷やしておきたいです。
劣化のサインは、お酒の色にルビーやパープルの色味がなくなり、茶褐色になったら要注意。
開栓後、常温で放置した場合、10日から20日を目安に使いきったほうがいいと言われています。
カシスリキュールおすすめ銘柄
ルジェ・クレーム・ド・カシス
カシスリキュールと言えば、この銘柄。
リーズナブルでスタンダードなものなので、はじめて飲んでみようという方におすすめです。
フィリップ・ド・ブルゴーニュ
高級なバーで使用される印象のある、濃厚で芳醇なカシスリキュールです。
甘みもくどくなく上品な味わいで、美味しいカクテルづくりにはもってこいの銘柄。
カシスのカクテルレシピ11種
カシスリキュールを使ったカクテルを紹介します。
カシスソーダ
カシスリキュールと炭酸水で、定番のカシスカクテル。
甘酸っぱくさっぱりとした味わいが大人気ですね。
レシピ
- 炭酸水
- カシスリキュール
カシスオレンジ
カシスとオレンジでつくるフルーティーで甘口のカクテル。
市販のオレンジジュースでもいいですが、生搾りオレンジジュースをつくるとさらに美味しくなります。
レシピ
- オレンジジュース
- カシスリキュール
カシスウーロン
カシスとウーロン茶ですっきりと飲みやすいカクテルです。
甘口のカクテルが苦手な方におすすめ。
レシピ
- ウーロン茶
- カシスリキュール
カシスミルク
カシスとミルクでまろやかでコクのある味わい。
アルコール感がなく飲みやすいため、お酒が苦手な方にピッタリのカクテルです。
シェイクでつくると口当たりがふわふわと、より美味しくなります。
レシピ
- 牛乳
- カシスリキュール
キール
白ワインとカシスでつくる、食前酒にもピッタリのカクテル。
カシスの果実味が際立ち、白ワインが苦手な方もこのカクテルなら飲めるかもしれません。
もちろんワインが好きな方には特におすすめ。
レシピ
- 白ワイン
- カシスリキュール
キールロワイヤル
シャンパンとカシスでつくる、贅沢なシャンパンカクテル。
お祝いなど特別な日に、シャンパンではなくキールロワイヤルで乾杯するのもいいですね。
女性に大人気のカクテルです。
レシピ
- シャンパン
- カシスリキュール
カーディナル
赤ワインとカシスで、果実味が前面に出た味わい深いカクテルです。
甘口で、ワインが苦手な方にもおすすめです。
レシピ
- 赤ワイン
- カシスリキュール
パリジャン
ジンの力強さとカシスの甘み、辛口のベルモットが見事に調和した、上品な大人なカクテルです。
アルコール度数は強めなので、お酒が強くワインが好きな方におすすめです。
レシピ
- ジン
- ドライベルモット
- カシスリキュール
カシスモヒート
ミントの爽やかさとカシスがあわさり、さっぱりとフルーティーな味わいのカクテルです。
甘酸っぱい味わいと炭酸が飲みやすく、お酒が苦手な女性にもおすすめです。
レシピ
- カシスリキュール
- ライムジュース
- シュガーシロップ
- 炭酸水
- ミント
エル・ディアブロ
テキーラの独特な風味とカシス、ジンジャエールが合わさり、さっぱりと飲みやすいです。
エルディアブロとは悪魔という意味ですが、悪魔っぽいのは見た目だけで、名前に似合わず爽やかで美味しいカクテル。
レシピ
- テキーラ
- カシスリキュール
- ジンジャエール
オーロラ
1994年のカクテルコンペで優勝した作品で、フルーティな味わいのカクテルです。
アルコール度数は強めですが飲みやすい一杯。
レシピ
- ウォッカ
- カシスリキュール
- レモンジュース
- グレープフルーツジュース
果実味あふれるカシスリキュールで楽しもう!
以上、カシスリキュールの歴史・製法・保存方法・おすすめの銘柄・カクテルレシピを紹介しました。
定番のカシスソーダ、カシスオレンジ以外にもたくさん飲み方はあるので、飲んだことがないかたは一度試してみては?
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