パルフェタムールのリキュールは、スミレからつくられるお酒で、紫色の妖艶な色が特徴です。
公式のカクテルブックに掲載されているカクテルレシピは少ないですが、色彩の妖艶さ、香味の甘やかさから人気のあるリキュールの一つとなっています。
このリキュールはどんなお酒なのか?
歴史やどんな銘柄があるのか・パルフェタムールでつくれるカクテルレシピなど、詳しく紹介します。
目次
パルフェタムールとは
紫色の妖艶な色彩、香味の甘やかさで人気なのが、パルフェタムールのリキュール。
バイオレットリキュールともいいます。
パルフェタムールとは「完全なる愛」という意味で、なんともロマンチックな名前のお酒です。
パルフェタムールこだわりの製法
パルフェタムールは、スミレの花の色と香りを移しとった酒と説明されることが多いですが、スミレの花は紫だけでなく、白色など多種あります。
日本のスミレ自体50種類以上あり、世界中でみると、約300種類にも及ぶそうです。
リキュールに使用されるのは、西洋産の無茎種で、園芸用に使用されているニオイスミレ(スイートバイオレット)。
その花弁抽出液に、
- オレンジやレモンなどの柑橘果皮
- コリアンダー
- ビター・アーモンド
- バニラ
- クローヴ
- シナモン
などを配合し、中性スピリッツ・水・シロップ・着色料を添加して、製品化されます。
パルフェタムールの味わい
パルフェタムールのリキュール自体、色々な会社が製造して製品化しています。
ボルスやサントリー、マリーブリザール社などそれぞれ特徴が異なります。
基本となるのは「すみれの花の香り」と「柑橘」や「バニラ」などの甘い香味が主体となっています。
パルフェタムールの起源
起源はフランスのロネーヌ地方で、1760年、ソルミニ(Solmini)という酒商人がニオイスミレの香りを溶かしこんだ酒をつくり、パルフェタムールと名づけて媚薬効果をPRしながら売り広めました。
当初、紫・赤・黄とさまざまだったらしいが、結局セクシーな紫色のパルフェタムールだけが残るようになったそうです。
パルフェタムールの派生
19世紀に入ると、知的階級の間では媚薬オーラを振りまく酒名が嫌われるようになり、ニオイスミレの色と香りを強調した「クレーム・ド・ヴァイオレット」が生まれました。
1890年代には、アメリカのフィラデルフィアのジャカン社が、イタリアのパルマ産のニオイスミレを使い、紫色の「クレーム・イヴェット」というリキュールを発売しました。
(イヴェットは、ロートレックの絵のモデルにもなったパリのキャバレー女優イヴェット・ジルベールの名をつけたもの。)
たちまちアメリカ女性の人気酒になりました。
これを使って生まれた人気のカクテルがブルームーンです。
参考文献:リキュールブック
パルフェタムールの銘柄
パルフェタムールを販売している銘柄をまとめました。
メラーナ
ドイツが原産国で、色・香り・味を徹底的に追求したプレミアムヴァイオレットリキュールです。
すみれの紫色が濃厚で、他の銘柄よりも色がはっきりとしてきれいなカクテルに仕上がります。
高品質で、上品なカクテルをつくりたい方におすすめ。
ボルス
オランダが原産国のリキュールで有名なボルス。
すみれ・バニラ・アーモンド・オレンジなどの香味が感じられます。
他の銘柄よりも甘みが強めなのが特徴で、安価ながら品質はいいので多くのバーでも使用されています。
リーズナブルな価格帯で、甘みがあるカクテルをつくりたい方におススメです。
マリーブリザール
フランスが原産国で、すみれのほか、スペイン産の甘いオレンジの果皮に、オレンジの花・バニラエッセンスなどを配合して仕上げています。
パルフェタムールの飲み方
パルフェタムールは甘みがある銘柄多く、ストレートやロックで飲むよりもカクテルにして飲むのがおススメです。
パルフェタムールにおすすめの割材
おすすめの割材
- 炭酸水
- トニックウォーター
スミレの香りが開き、華やかさをよく感じられます。
甘みが強いお酒なので、レモンやライムをしぼって飲むと味が引きしまり、よりさっぱりと飲めると思います。
パルフェタムールのカクテルレシピ
公式のカクテルブックに掲載されているレシピはあまり多くありません。
その中でも、バイオレットフィズ・ブルームーンは有名で、特においしいのでおすすめです。
それ以外のレシピも多数あるので紹介します。
バイオレットフィズ
カクテル名 | バイオレットフィズ |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク・ビルド |
テイスト | 中甘口 |
色 | 紫 |
アルコール度数 | 約5度 |
材料 | パルフェタムール45ml レモンジュース:15ml シュガーシロップ:1tsp 炭酸水:適量 |
カクテル言葉 | 私を覚えていて |
あざやかな紫色で、味も甘くてさっぱり、すみれの華やかな香りもするので特に女性に人気のカクテル。
ジンを加えるレシピもあり、ジンが好き・アルコール度数が強い方がいいという方には、ジンを15mlほど加えてもいいと思います。
30年ほど前に日本で流行したカクテルで、懐かしいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ブルームーン
カクテル名 | ブルームーン |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中甘口 |
色 | 紫色 |
アルコール度数 | 約30度 |
材料 | ジン:30ml パルフェタムール:15ml レモンジュース:15ml |
カクテル言葉 | 完全なる愛・叶わぬ恋・お断り |
パルフェタムールというスミレのリキュールが入っており、香りが華やかで甘みもあるカクテルです。ジンが入っており度数は強めですが、おいしいカクテルです。ジンを使わないレシピもあります。
オーキッドとは
カクテル名 | オーキッド |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 辛口 |
色 | 紫色 |
アルコール度数 | 約28.5度 |
材料 | ジン:45ml パルフェタムール:20ml 卵白:1個分 |
オーキッド=蘭(らん)の花、淡い薄紫色という意味があります。
その名の通り、淡い薄紫色のきれいな色合いのカクテル。
パッセンジャーリスト
カクテル名 | パッセンジャーリスト |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 辛口 |
色 | 黒がかった紫色 |
アルコール度数 | 約35.8度 |
材料 | ブランデー:15ml ジン:15ml パルフェタムール:15ml シャルトリューズ ジョーヌ:15ml ペルノ:1dash |
ヴァイオレットとシャルトリューズの2種類の個性的な香りをもつリキュールが合わさったカクテルです。
ダブルパーフェクト
カクテル名 | ダブルパーフェクト |
カクテルタイプ | ロングカクテル |
技法 | ビルド |
テイスト | 中甘口 |
色 | 赤系 |
アルコール度数 | 約15.6度 |
材料 | パルフェタムール:15ml ホワイトキュラソー:15ml シャンパン:適量 |
アサヒの公式ホームページのレシピです。
フライングダッチマン
カクテル名 | フライングダッチマン |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 辛口 |
色 | 薄紫 |
アルコール度数 | 約26.3度 |
材料 | ジン:25ml パルフェタムール:5ml マラスキーノ:15ml レモンジュース:15ml |
アサヒの公式ホームページのレシピです。
アズール
カクテル名 | アズール |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中甘口 |
色 | 青紫 |
アルコール度数 | 約333度 |
材料 | ウォッカ:40ml パルフェタムール:20ml レモンジュース:1tsp ブルーキュラソー:1tsp |
アズールはフランス語で「青」という意味で、色が鮮やかなカクテルです。
ウォッカを使用するので、パルフェタムールの香味が前面に出ます。
マリーアムール
カクテル名 | マリアムール |
カクテルタイプ | ロングカクテル |
技法 | ビルド |
テイスト | 中甘口 |
色 | 紫 |
アルコール度数 | 約11.5度 |
材料 | パルフェタムール:30ml 白ワイン:60ml トニックウォーター:30ml オレンジピールorオレンジスライス |
マリーブリザールの公式サイトで紹介されていました。
最後に
「パルフェタムールはどんなお酒か?銘柄ごとの特徴は?カクテルレシピは?」について解説しました。
パルフェタムールは甘く花系の香りが好きなかたにおすすめのリキュールです。
スミレのリキュールは銘柄ごとに香味が全く違うので、自分好みのものを見つけるといいと思います。
個人的には少し高めですが、ちゃんと紫色がでるカクテルをつくりたいという方や、すみれの香りを楽しみたい方はメラーナのパルフェタムール。
リーズナブルでおいしく飲みたいなら、すみれの香りは控えめですが甘みほどよいボルスのパルフェタムールをおすすめします。