オレンジからつくられたリキュール、オレンジキュラソーの銘柄はたくさんありますが、その中でも有名で人気なのがこのグランマルニエです。
カクテルだけじゃなく、お菓子作りや料理にも使用されることのあるお酒です。今回はこのリキュールがどんなお酒なのか、歴史や原料、カクテルのレシピなどを紹介していきます。
目次
グランマルニエとは
グランマルニエがどんなお酒なのか紹介します。
グランマルニエの製品概要
製品名 | グランマルニエ コルドンルージュ |
品目 | リキュール |
アルコール | 40度 |
容量 | 700ml/200ml |
原産国 | フランス |
メーカー | CT SPIRITS JAPAN(シーティースピリッツジャパン) |
フレーバー | オレンジ |
参考価格 | 2,514円 |
グランマルニエの歴史
- グランマルニエの製造元であるマルニエ・ラポストル社は、1827年にパリ西方の静かな村、ノーフル・ル・シャトーで、「ジャン・バティスト・ラポストール」が蒸留業をするようになったのが始まり。
- ラポストールの息子であるユージェーヌは、1870年代にコニャック地方に訪れ、コニャック蒸留所を買収して製品をパリに広めました。
- その後、ユージェーヌの娘が「ルイ・アレクサンドル・マルニエ」と結婚し、事業を受け継ぎます。
- マルニエは、コニャックにオレンジの香りを溶かしこんだ新製品「グランマルニエ」を開発し、1880年に発売するにいたりました。
グランマルニエの原料・製法
- 原料にはカリブ海のハイチ島産のビターオレンジの緑色の残った皮を使用。
- これをノーフル・ル・シャトーの工場で内側の白い内皮を削り取り、薄い外皮だけにします。
- これをコニャック地方ブール・シャラント村にある自社コニャック蒸留所シャトー・ド・ブールから送られてきた無色透明でアルコール度数約70度のブランデー新酒に3週間漬け込んだあと、単式蒸留器で蒸留。
- こうして得たオレンジスピリッツに、シャトー・ド・ブール蒸留所で3年から6年にわたって熟成されたグランド・シャンパーニュ地区産や他の地区産のコニャックをブレンドします。
- そこにシロップや秘伝のエキスを加えたあと、ホワイトオークの樽で6ヶ月熟成してろ過、芳醇な琥珀色のリキュールの完成です。
- これをノルマンディ地方にある工場でボトリングし、出荷します。
このようにしてグランマルニエはつくられています。
参考文献
グランマルニエをレビュー
グランマルニエを実際に飲んでみた感想と、同じオレンジからつくられたリキュールである「コアントロー」と飲み比べてその違いをお伝えします。
ストレート
注いでみると、色はウィスキーのような琥珀(こはく)色をしています。
香りはオレンジの風味がしっかりとあり、アルコールの匂いもほどよく感じられます。
実際に飲んでみると、リキュールの甘みが口に広がり、そのあとオレンジの香味、その奥にブランデーの芳醇な香りが感じられます。
アルコール度数は40度ありますが、アルコールのとげとげしさはあまりなく、じわーっと舌に熱く広がっていきます。
ウィスキーのようにストレートでゆっくり味わって飲むタイプではないですが、しっかりとオレンジの香味が感じれられる甘いお酒です。
グランマルニエとコアントローの違い
グランマルニエはオレンジが原料のリキュールですが、他にもオレンジが原料で有名なコアントロー(ホワイトキュラソー)というリキュールがあります。
カクテルをつくるときによく使用されるのがコアントロー(ホワイトキュラソー)で、グランマルニエ(オレンジキュラソー)はカクテルに使われる頻度は多くはないですが、どちらもオレンジのリキュールとしてとても有名です。
飲んだことがない方は、この2つのお酒がどのような違いがあるのかがわかりにくいと思うので、実際に飲んでみてその違いをお伝えします。
製品 | 色 | 甘さ | 香り | オレンジ香味 | 酒感 |
グランマルニエ | 琥珀 | 芳醇でやわらかいオレンジ香味 | 温かみのあるブランデーのような酒感 | ||
コアントロー | 透明 | シャープでキリッとしたオレンジ香味 | ニュートラルなウォッカのような酒感 |
グランマルニエはブランデーがブレンドされているので、ブランデーのような芳醇な香味が特徴的でした。
コアントローは中性スピリッツが使用されているので、ニュートラルなウォッカのようにクリアな酒感で、それぞれ2つの違いがはっきりとわかりました。
コアントローはオレンジの香味がありますが、それ以外に主張するような味わいがなくクリアなお酒なので、グランマルニエではなくコアントローがよくカクテル使われるのだというのがわかりました。
グランマルニエを使用するカクテル
グランマルニエは、カクテルのベースとして使われることはあまりないですが、副材料として使用されることが多いリキュールです。
ここでは、グランマルニエを副材料として使うカクテルのほか、ベースとして使うカクテルも紹介します。
A-1(エーワン)
カクテル名 | A-1 |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中口 |
色 | オレンジ |
アルコール度数 | 約40度 |
材料 | ジン:40ml オレンジキュラソー:20ml レモンジュース:1dash グレナデンシロップ:1dash |
カクテル言葉 | 最高・超一流 |
すべての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
「最高」の「超一流」という意味があるカクテルで、アルファベットの「A」と数字の一番最初の「1」を組み合わせています。
オリンピック
カクテル名 | オリンピック |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中口 |
色 | オレンジ |
アルコール度数 | 約26.7度 |
材料 | ブランデー:20ml オレンジキュラソー:20ml オレンジジュース:20ml |
カクテル言葉 | 待ち焦がれた再会 |
すべての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
第2回パリオリンピックを記念してつくられたカクテル。
レッドライオン
カクテル名 | レッドライオン |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中口 |
色 | オレンジ |
アルコール度数 | 約20度 |
材料 | ジン:20ml オレンジキュラソー:20ml オレンジジュース:10ml レモンジュース:10ml |
カクテル言葉 | 威厳 |
すべての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
1933年、ロンドンで開催されたカクテルコンペティションで入賞したカクテル。
グランオー
カクテル名 | グランオー |
カクテルタイプ | ロングカクテル |
技法 | ビルド |
テイスト | 中甘口 |
色 | 黄色 |
アルコール度数 | 約20度 |
材料 | グランマルニエ:40ml オレンジジュース:60ml 炭酸水:60ml |
カクテル言葉 | 威厳 |
氷を入れたグラスにグランマルニエ、オレンジジュースを注ぎステアし、炭酸水を注いで軽くまぜる。
ムーンバ
カクテル名 | ムーンバ |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中口 |
色 | 黄色 |
アルコール度数 | 約14.5度 |
材料 | ホワイトラム:20ml グランマルニエ:20ml オレンジジュース:60ml グレナデンシロップ:2tsp |
すべての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
チェリーブロッサム
カクテル名 | チェリーブロッサム |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中甘口 |
色 | 赤色 |
アルコール度数 | 約14.5度 |
材料 | チェリーブランデー:30ml ブランデー:30ml グランマルニエ:2dash レモンジュース:2dash グレナデンシロップ:2dash |
カクテル言葉 | 印象的な出会い |
全ての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
タンゴ
カクテル名 | タンゴ |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中口 |
色 | オレンジ色 |
アルコール度数 | 約30.6度 |
材料 | ジン:24ml ドライベルモット:12ml スイートベルモット:12ml グランマルニエ:12ml オレンジジュース:2dash |
すべての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
ロンドンのシローズクラブというバー出身の、「ハリー・マッケルホーン」氏が考案しました。
彼が自分のハリーズニューヨークバーをオープンした後に発表した、情熱的の名前のカクテルです。
シルビア
カクテル名 | シルビア |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中甘口 |
色 | オレンジ色 |
アルコール度数 | 約16度 |
材料 | ホワイトラム:20ml グランマルニエ:20ml パイナップルジュース:20ml オレンジジュース:40ml グレナデンシロップ:3dash 卵黄:1個 |
カクテル言葉 | あなたを想って |
すべての材料をシェイカーに注ぎ、ロックグラスに注ぐ。
グランマルニエマルガリータ
カクテル名 | グランマルニエマルガリータ |
カクテルタイプ | ショートカクテル |
技法 | シェイク |
テイスト | 中口 |
色 | オレンジ色 |
アルコール度数 | 約30度 |
材料 | テキーラ:30ml グランマルニエ:15ml レモンジュース:15ml 塩:適量 |
カクテルグラスの縁に塩をつけてスノースタイルに、すべての材料をシェイカーに注ぎ、カクテルグラスに注ぐ。
グランマルニエを楽しもう!
グランマルニエはどんなお酒なのか、歴史・原料・製法・カクテルレシピなど紹介しました。
グランマルニエはアルコール度数40度とけっこう高めですが、オレンジの風味と甘み、ブランデーの芳醇さがおいしいお酒です。
興味があれば是非試してみて下さい。