四大スピリッツのひとつであるラム。
サトウキビ由来の独特な風味、甘みがある人気の蒸留酒です。
ラムコークやモヒートなどのベースでもありますが、ラムとはどんなお酒なのでしょうか?
「ラムの歴史や種類、おすすめの飲み方、銘柄」などを簡単に紹介していきます。
目次
ラムとは?
ラムの原料でもあるサトウキビ由来の甘みや独特な風味があり、ジンやウォッカに比べると好き嫌いがわかれるお酒かもしれません。
キューバやプエルトリコ、ジャマイカなどの西インド諸島で多く生産されています。
ラムの語源
ラムの語源はいくつか説があるので、そのうちの2つを紹介します。
1.17世紀のチャールズ2世時代のイギリス植民地の記録に、「サトウキビから蒸留した強烈な酒を、生まれて初めて口にした島のものたちは、みな酔って興奮(ランバリオン:rumbullion)した」と記されてました。
ランバリオンという言語はもう使われていませんが、この最初の三文字だけが残り、ラム(rum)となったという説。
2.ラテン語で、糖を意味する言語「サッカラム:saccharum」の語尾から、ラムとなったという説。
ラムの起源
ラムは、新大陸の発見で、サトウキビが西インド諸島に持ち込まれたことがきっかけで誕生します。
ラムの発祥には2つの説があります。
1.16世紀初頭、スペインの探検家「ポンセ・デ・レオン」が探検隊を率いてプエルトリコにわたりました。
隊員の一人が蒸留技術をもっており、現地のサトウキビを原料にして蒸留酒を造ったという説。
2.17世紀初頭、蒸留技術をもつイギリス移民が、サトウキビをもとに蒸留酒を造ったという説。
ラムの歴史
真実は明らかになってはいませんが、17世紀には西インド諸島でラムが造られていたと言われています。
では、どのようにラムが広まっていったのでしょうか。
そこには、奴隷制度が大きく関わっています。
ラムが広まるきっかけ「三角貿易」
18世紀に入り、航海技術が発達したことにより、ラムは世界に知られていきます。
西インド諸島・ヨーロッパ・西アフリカでは、当時貿易が行われており、3つを頂点として「三角貿易」と呼ばれています。
①西アフリカの黒人奴隷が、サトウキビ栽培の労働力として、西インド諸島に連れてこられます。西アフリカ→西インド諸島
②栽培したサトウキビから糖蜜を造り、ヨーロッパへと運ばれます。西インド諸島→ヨーロッパ
③糖蜜からラムを造り、黒人奴隷の身代金としてラムを支払います。ヨーロッパ→西アフリカ
黒人奴隷(サトウキビ栽培のための労働力)・糖蜜(ラムの原料)・ラム(黒人奴隷の身代金)が循環的に取引されることで、ラムが広まっていきました。
ラムの種類
ラムの種類は、風味と色によって分類されています。
風味の違いで3つのタイプのラムがあり、色の違いでも3つのタイプに分けられています。
風味による分類
①ライト・ラム
19世紀半ば以降、連続式蒸留機が導入されて生まれました。
クセが少なく、カクテルのベースとしてよく使用されます。
②ミディアム・ラム
フランス系の植民地で生産されており、サトウキビの搾り汁をそのまま使うか、糖蜜にしてから造られます。
③ヘビー・ラム
イギリス系の植民地で造られてきた濃厚な味わいのラムです。
主にジャマイカなどで生産されています。
色による分類
①ホワイト・ラム
無色透明なもの、淡い色がついているラム。
樽で貯蔵されるときに一度色がつきますが、活性炭でろ過することでクリアに仕上がります。
②ゴールド・ラム
ホワイト・ラムをベースに、カラメルなどで色付けしたもの。
見た目も黄色がかっており、ウィスキーやブランデーに似ています。
③ダーク・ラム
3年以上樽熟成された濃い褐色のラムです。樽熟成によって色が変化しますが、カラメルなどで色付けすることもあります。
ラムの主な生産国
ジャマイカ
ヘビーラムやダークラムが中心。もとはイギリス植民地だったため、イギリスでの知名度が高いです。
キューバ
ライト・ラムづくりの先駆けとなりました。
砂糖を精製するときに出る廃糖が原料となります。
プエルトリコ
キューバと同じで砂糖精製で出る廃糖を原料とします。
ライトよりのラムが多く、単式蒸留器の蒸留液を混ぜるため、甘い香りを帯びたものが多くあります。
ドミニカ・ハイチ
サトウキビや糖蜜、廃糖蜜など様々な原料が使われます。ライト・ラムが多いです。
その他地域
スペインやパラグアイなどの南米諸国、インド、フィリピンなど、世界各国で生産されています。
簡単にできる!ラムのおすすめカクテル5選
ラムトニック
材料
- ラム
- トニックウォーター
- 好みでライム
ラムとトニックウォーターだけのシンプルなカクテル。
さっぱりと美味しいです。
キューバリバー(キューバリブレ)
材料
- ラム
- コーラ
- ライム
有名で人気があるラムのカクテルのひとつ。
ラムとコーラでラムコーク。そこにライムが加わり、味に深みがでます。
ソルクバーノ
材料
- ラム
- グレープフルーツジュース
- トニックウォーター
あまり知られていないですが、バーでは人気のさっぱりカクテルの代表。
ラム、グレープフルーツジュース、トニックウォーターの組み合わせは最強です。
モヒート
材料
- ラム
- ライムジュース
- 炭酸水
- シュガーシロップ
- ミント
夏の暑い日に飲みたくなる、爽やかな大人気カクテルです。
ミントの爽快感が、さっぱりとした気分にさせてくれます。
ブルーハワイ
材料
- ラム
- ブルーキュラソー
- パイナップルジュース
- レモンジュース
パイナップルジュースのフルーティーな味わいがおいしい味わいです。
トロピカルカクテルで、南国に行った気分にさせてくれます。
ピニャコラーダ
材料
- ラム
- パイナップルジュース
- ココナッツミルク
トロピカルカクテルの中でも人気があり、甘くておいしい味わいです。
常夏の海に行ったような気にさせてくれます。
プールサイドや海で飲むと、さらに気分を上げてくれます。
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ラムを楽しもう!
いかがでしたでしょうか?
ラムの語源は歴史などから、ラム酒がどんなお酒なのか、少しはわかっていただければ嬉しいです。
ラム酒が好きな方は多く、ラム専門のバーがあるほどです。
いろいろな銘柄を飲み比べてもいいですし、カクテルを楽しんでみてはいかがでしょうか?