カクテルの技法のひとつに、ウォッシングというものがあります。
ウォッシングとは、液体を清澄(せいちょう)する技法で、お酒に香りを移したいときに使います。
それをすると液体は透き通り、風味だけしっかりと残ります。
ウォッシングをする際は、乳製品や油脂分の高い食材(バターやチーズ、脂など)を使用しますが、今回は牛乳を使ったミルクウォッシングを紹介します。
ミルクウォッシングについて、どんな技法なのか、実際にやってみた感想などお伝えします。
目次
ミルクウォッシングとは?
ミクソロジーの技術のひとつで、酒と牛乳を合わせ、そこに酸を加えて凝固させることで不純物を取り除き、まろやかにする方法です。
17世紀頃からある技法で、200年以上も前から行われていました。
ミルクウォッシングをした液体は酸味があり、シェイクすると卵白が加わったように泡立ちます。
では、さっそく実際にミルクウォッシングを実践してみます。
アールグレイウォッカ×ミルクウォッシング
材料
- アールグレイの茶葉を浸したウォッカ(ウォッカ200ml、アールグレイ茶葉6g)
- 牛乳70ml
- レモンジュース6ml
ミルクウォッシングするとき、ポリフェノールが含まれている液体を使うと効果的です。
今回はウォッカにアールグレイ茶葉を浸したものを、牛乳でウォッシングしていきます。
牛乳を固めるためにしぼったレモン汁を使用ますが、クエン酸で代用することも可能です。(クエン酸の場合は水で希釈してクエン酸水をつくります)
アールグレイウォッカのつくり方
今回はウォッカ200ml、アールグレイ茶葉を6gを使用しました。
材料を全て密閉容器に入れてよく振ります。
よく振ったあと、20分から40分ほど放置します。
その間ときおり、容器を振ってなじませます。
40分後、色がかなり濃くなり、真っ黒になりました。
コーヒーフィルターで濾して、茶葉を取り除きます。
アールグレイウォッカの完成です。
ミルクウォッシングの方法
1.材料を注ぐ。
グラスに牛乳を70ml注ぎます。
アールグレイウォッカを200ml注ぎます。
(※必ず牛乳に酒を加えるようにし、酒に牛乳を加えないようにします)
2.混ぜる。
液体を軽く混ぜます。
3.レモン果汁を注いで混ぜる。
レモン果汁を6mlほど注ぎますが、注ぐときは液体を混ぜながら、数回に分けてゆっくりと少量ずつ注ぎます。
4.混ぜる。
カードが壊れないようにゆっくりと混ぜます。(※早く混ぜすぎると乳化して失敗します)
カード:乳製品に酸を加えることでつくられる凝固物のこと
5.放置。
かき混ぜているとカードがつくられていくので、雪だるまのように大きくし、ある程度かき混ぜたらそのまま放置します。
沈殿後、このようになります。
6.濾す。
コーフィーフィルターで濾して、固形分を取り除きます。
7.完成。
液体を全て容器に移したら完成です。
黒かった液体が見事に透き通っています。
ミルクウォッシュしたアールグレイウォッカを飲んだ感想
ストレート
ストレートで飲んでみましたが、ウォッカのとげとげしいアルコール感がなく、アールグレイ茶葉のタンニンや苦味もやわらかくなっています。
きちんとアールグレイ風味のウォッカとなっています。
カクテル:アールグレイハニーサワー
材料
- ミルクウォッシュアールグレイウォッカ60ml
- レモンジュース15ml
- ハチミツシロップ15ml
全ての材料をシェイクして、ロックグラスに注いでつくりました。
上手く泡立ち、まろやかな口当たりのさっぱりとしたカクテルに仕上がりました。
アールグレイとレモンの酸味、ハチミツの甘みが見事にマッチして美味しいです。
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アールグレイハニーサワー~紅茶の香りの爽やかカクテル~
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ミルクウォッシングでアレンジカクテル!
ミルクウォッシングは200年以上前からある技術で、それが今ではカクテルに応用されています。
実際にやってみると、かき混ぜるときに早く混ぜすぎたり、酸を多く入れすぎて失敗しましたが、コツがわかれば簡単です。
牛乳以外にもチーズや油など、ウォッシングの方法はたくさんありますが、興味のある方は一度やってみては?
参考文献
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